本記事では,ブログとホームページとの違いについて説明します。
ブログとホームページの大きな違い
書き続けるブログ 完成するホームページ
ブログは,日々記事を更新して,価値を積み重ねていきます。
基本的に,ブログ主のモチベーションが切れるか,目的を達成するか,サーバーの要領がなくなるかするまで,限りなくつづけるのがブログだと言えます。
日記的で,日々変化があったり,新しい知見が付け加わったりします。
常に動き続けるイメージです。
それに対して,ホームページとは,基本的にいくつかの普遍的な情報を記したページをつくったら,それで完成します。
一旦完成したら, そ の後は, 規則やサービスの内容が変わったとか,移転したとか,新製品やサービスが出たなど, よほど大きな何らかの変更があったときに必要なページを修正するくらいで,基本的には放置します。
会社とか,○○商店街とか,学校とか,店とか,ホテルとか,そのようなところが自分の商品,サービスなどの情報を知らせるためにつくられているものがホームページと言われます。
大規模なブログ 小さくまとまっているホームページ
上のような理由から,ブログは,何百記事,何千記事にもなり,膨大な規模に育っていきます。
基本的に終わりがないのですから,いつまでも育ち続けます。
私のブログ「知的生活ネットワーク」も11年間書き続けており,一時は記事が3000近くありました。(1700記事ほど削除しましたが)
これにたいして,ホームページは,5,6ページくらいのミニサイトと呼ばれるものもあり,少ない記事でも完成形としてネットに一つの居場所を保ち続けます。
たとえば,わたしがつくった「山根式袋ファイルシステム」は,袋ファイルデータベースの作り方や使い方を書いたミニサイトです。
ページ数は3記事しかありません。
それでも,多くの方が参照してくださっています。
倉下忠憲さんの著書「タスク管理の用語集」でも,巻末に参考サイトとして掲載していただいています。
たった3記事でも完成したものとしてネットに居場所を持ち,検索参照され続ける。
作ってからもう4年も立ちますが,その後1記事も書き加えていません。
それがホームページというもののイメージです。
自動的なブログ 手動のホームページ
ブログは,基本的にデータベースです。
ブログを書くときに,タイトルや本文,画像,日付,カテゴリ,タグなど,本文以外にさまざまな情報を記入します。
それらは,データベースの一つのレコードとしてサーバーに記録されています。
それを,プログラムにより,あちこちの入れ物に収められている記事を同じカテゴリだけ集めたり,同じ月のものだけ集めたり,同じタグのものだけ集めたりなど,表示されるときにのみ,引っ張ってきて再構築して見せてくれているのです。
もとは個々のデータとして収められているものを,ある約束でさまざまな見せ方をしているだけなので,「見出しとして書かれているものは,これから青いろで表示すること」と決めたら,自動的に全部の見出しが青色で表示されます。
たくさんアクセスされた人気のある記事を上位10位まで表示するなんてことも,プログラムがそのように集めてきて表示しているだけなので,私達は何もする必要はありません。
私達に必要なのは,「書くだけ」なのです。
見出しの色やタイトルのフォントなど,いちいち指定する必要はありません。
それは,プログラムによって,一括して決められているからです。
ですから,外観を買えるためには,全部の記事のデザインを作り直す必要はなく,テーマを買えるだけで,鮮やかに見栄えを変えることができるのです。
これが自動という意味です。
ホームページは,基本的に,上で書いたことは全部手動で行う必要があります。
見出しなどのタグは,一括して買えることができますが,もし見出しタグをわりあてているのではなく,文の中の言葉を個々にデザインとしての大きさやフォント,色を当てているのであれば,それは固定されていますので,買えることはできません。
デザインを変えたければ,一つ一つ見つけ出して変えていかなければなりません。
新着記事なども,ブログならデーターベースから自動的に引き出して表示してくれますが,ホームページでは,自分で記事のタイトルを書いて,記事へのリンクを貼らなければなりません。
新規の記事が完成するたびに,新着記事も書き直さなければならないのです。
これが手動という意味です。
ブログとホームページ それぞれの良さ
上のように書くと,自動的なブログの方が便利で,ホームページは手動で大変というイメージを持たれたかもしれませんね。
ホームページという言葉自体,なんだか20年ほど前にブームがおき,その後ブログの始まりとともにすたれていった古いもののようなイメージをもたれるかたもいらっしゃるかもしれません。
しかし,ホームページはまったく時代遅れのものでもなければ,不便なものでもありません。
ホームページには次のようなよさがあります。
教科書をつくるのに最適なホームページ
ブログでは,サイドバーにカテゴリとか新着記事などのメニューがありますね。
ホームページではそれを手動でつくります。
手動で作るということは,全体の構成を手動で作ることができる,ということです。
メニューのトップとサブ,アウトライン。
そのようなメニュー構成が手動で組み立てられるわけです。
これは,教科書など専門書を書くときに,読者にわかりやすいよう,論旨が伝わりやすいよう,予めアウトラインを決め,章立てをはっきりさせて書くようなものです。
コンテンツがはっきりときまっているものについては,手動でページをつくり,見せ方を構成したほうが都合がよいわけです。
このようなホームページは教科書的であるが故に、専門性、網羅性、信頼性を、必要とします。
逆に言えば、この三つの要件を満たすコンテンツを持っている人は、ホームページとしてのサイトを作ることができます。
収益をねらったサイトづくりができるようになるわけです。
収益の面から見たブログとホームページの違いは、また別の記事で説明します。
ホームページ的な作り方ができるWordPress
世界中の多くのブログで使われているWordPressは,ホームページ,静的サイトのよさをブログシステムの中に取り入れて,ホームページ自体をつくることができます。
それは,「投稿」という言葉と「固定ページ」という言葉で表されています。
投稿というのはブログの記事。
データベースに収められて,カテゴリから引っ張り出され,月別アーカイブから引っ張り出され,そして関連ページから引っ張り出され,固定された場所というものがありません。動的です。
しかし,「固定ページ」は,あちこちから引っ張られることはありません。
こちらが,メニューの中に記述して,居場所を明示することで,トップページから目につくところにありつづけることができます。
Topページからあふれて見えなくなってしまったら最後,カテゴリや月間アーカイブや,人気記事などの表示のされ方で表面に引っ張られて出てくる以外,底に沈んで一切見られなくなってしまう可能性を持つのがブログ記事の宿命です。
しかし,固定ページは,ずっとメニューにより分類されて表示され,いつまでもそこにあり続けます。つまり固定されているのです。
時間とともに視界から消えるブログ記事 いつまでもTop画面に表示されるホームページ
こういう言い方もできますね。
どちらもできるブログのシステムを利用して、ホームページ的に先にどんなまとめをするか決めて記事を書くことの良さについて、下の記事で書きました。
このような手法でブログを書いていると、ホームページ(静的ページ)作成のイメージを待つことができます。